食物アレルギーと鯨肉の効用

くじら肉はとてもヘルシーな食材です
【高タンパク】【低脂肪】「鉄分豊富】味はジューシィーでも超低カロリー食品
【良質高タンパク】【鉄分豊富】【低脂肪】【ナイアシン豊富】
【味はジューシィーでも超低カロリー食品!】
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ヘルシー食品の鯨肉は、生活習慣病(成人病)や食事制限されている
方にも安心して召し上がっていただける超低カロリー食品です。

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日本テレビおもいっきりTVでもクジラの効用について紹介されています→詳しくはこちら

◆〆ちゃんのミニミニ学習◆
(科学技術庁 資源調査会編 5訂 日本食品標準成分表より)
くじらの赤肉や鯨皮類のエイコサペンタエン酸(EPA)は血液の擬固を抑制し、
血液をサラサラにする効果があります。動脈硬化の予防にも
大変効果を発揮致します。又、EPAは発ガン予防効果も認められています。

鯨肉は鉄分がとても豊富で貧血症の方にもぜひお勧めいたします。
鉄の形態が際も吸収されやすい(ミオグロビン)鉄と呼ばれる
有機体の形になっており、鯨肉は鉄の大変良い供給源になります。

鯨肉(特に鯨の皮)にはナイアシンが多く含まれており、
皮膚炎などに、かなりの効果をあらわします。
鯨の脂質は(鯨の皮類、)不飽和脂肪酸でコレステロールを
排除する働きがあるといわれています。また、EPAやDHAを多く含んだ
体にとても良い健康食品です。
お父さんの酒の肴に、お母さんの美容食にいかがでしょう。
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くじら肉と他の畜産肉の比較(100g中)
(科学技術庁 資源調査会編 5訂 日本食品標準成分表より)
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食品名 カロリーcal 蛋白質g 脂質g カルシウムmg
牛肉 260 17.5 20.5 6
豚肉 354 14.1 32.5 7
鶏肉 135 21.0 5.0 4
羊肉 142 16.4 8.0 7
鯨肉 127 23.0 3.0 11

日本捕鯨協会:勇魚通信1993年掲載文より
野生動物の価値を見直そう
林 良博 東京大学 教授

鯨肉がアトピー性皮膚炎に良いという話を聞<と、ハブの粉末が回春に効く
という俗説を連想して、多少なりともマユツバだと思う人がいるかもしれない。
確かに私たち日本人には、野生動物信仰が残っており、その肉を食することに
よって霊力が授けられたような気になることがある。

しかし、こと鯨肉については事情が大いに異なる。日本では原始時代から
鯨肉食が定着していたことが、各地の遺跡の発掘によって示されている。
さらに仏教伝来後の獣肉忌避の時代には、鯨肉が日本人の重要なタンパワ源の
一つであった。鯨肉があまり口にすることのできない希少食肉となったのは、
たかだかこの10 年程度のことであり、歴史的にみればほんの一瞬にすぎない。

しかし残念なことにヒトは忘れっぽい。人類が成立してから100 万年、ヒトは常に
飢えと闘ってきた。私たちが糖尿病になりやすいのは、私たちの身体が飢餓に
耐えられるよう設計されてはいるが、逆に栄養過多になることを想定して
設計されていないからである。にもかかわらず、私たちは歴史的にみてほんの一瞬に
すぎないこの飽食の時代に慣れて、食糧生産の重要性を忘れがちである。

鯨肉について言えば、そのあまりの希少性によって、やがてはハブの粉末と
同列に論じられる時代がくるかもしれない。それを防ぐにはどうしたらいいか。
常に鯨肉の重要性・有用性を訴えることであろう。幸いなことに、鯨肉は美味しく、
鉄の含有量が高く、多価不飽和脂肪酸を多く含むため成人病予防に優れた食肉といえる。
また畜肉・魚肉・卵・豆類に対して食物アレルギーを示す子供が、その根拠が科学的に
解明されていないにしろ、事実として鯨肉にアレルギーを示さない例があるという。

これは食物の多様性を保持することの重要性を示す好例といえる。
鯨をはじめ野生動物を食肉として利用することは、かつては環境破壊の元凶のように
非難されてきた。しかし現在は、環境をあるがままの状態で保全しながらそこからの
余剰分を利用するという、生物という再生産が可能なシステムを生かした野生動物の
持続的利用に対して評価が高まりつつある。
この機会により広い立場から鯨をふくむ野生動物の食肉としての価値を見直すことが望まれる。
ミンク鯨肉の栄養上の特性
鈴木たね子 日本大学 教授

動物性食品のうち家畜家禽の肉および乳、卵は畜産食品として世界的に定着
しているが、れが国においては伝統的に魚介類、鯨肉も重要な動物性食品とし
ている。
? 栄養的に良質のたんぱく質を多量に含んでいる。
たんぱく質は20 種類のアミノ酸から構成されており、食物として摂取されたたんぱく質は、
体内でアミノ酸に分解されて、再びたんぱく質に合成され、筋肉、内臓、血液、皮膚、
毛髪等々の構成成分になる。人間の体内で作ることが出来ないアミノ酸を必須アミノ酸といい、
8 種ある。鯨肉は、たんぱく質の栄養価値を決定する必須アミノ酸の含有量とそのバランスが
優れており、肉類に優るとも劣らない。
? 牛肉、豚肉よりも低エネルギーである。
たんぱく質は牛肉や豚肉よりも多いのに、熱量が逆に低いということは、鯨肉が
単にたんぱく源としてでなく成人病対策のできる食糧で重要な位置づけがされる食品で
あることを示唆している。
? 他の動物性食品とくらべて鉄の含有量が非常に多い。
鯨肉は赤い色をしている。それは筋肉組織のミオグロビンを多量に含んでいるためである。
ミオグロビンは、血色素と同じく鉄を持った化合物へムと蛋白質グロビンとが結合したものである。
鉄は体組織に酸素を運搬する大切な役割りがあり、鉄の欠乏は貧血の原因となるので食物から
鉄を摂取する必要がある。鯨肉は鉄の給源としてすぐれた食品といえる。
? 多価不飽和脂肪酸を多く含み、成人病予防の食物として魚介肉に匹敵する。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とではその生理機能がことなり、飽和脂肪酸は多量摂取によって
血中コレステロール値を上げ、動脈硬化や心臓病の原因となる。一方、不飽和脂肪酸は
逆に血中コレステロール値を下げる作用がある。
イコサペンタエン酸(EPA)は血液の凝固を抑制する作用があり、血菅系のさまざまな病気の
予防に効果がある。また、 EPA は発癌の予防効果があることが認められている。
近年ドコサヘキサエン酸(DHA)は脳の活動を活発にし、学習能力を上げる効果がネズミで認められ、
頭が良くなる脂肪酸として注目されている。鯨肉、魚介肉にはEPA やDHA の含有量が高い。
鯨肉肉に含まれる油脂の脂肪酸組成は魚介肉のそれと殆んど同じであり、これが明らかに
畜産物の肉と異なり食品として注目される特徴である。
? ナイアシンは比較的多く含まれている。
ナイアシンが欠乏すると皮膚炎をおこす。
? コレステロールの含有量が比較的少ない。
コレステロール含有量が多い脂肪を摂取していると、
心筋梗塞のような虚血性心疾患にかかりやすい。
? 公害汚染のない南氷洋のクリーンな海で育った鯨は、汚染されていない。
年々アレルギー性疾恵を持つ人が急増している。その原因として住環境や食環境が
悪化していると言われている。
このような状況の中で、鯨肉はアレルギー症状を起こすことが少ない、安全
な貴重なたんぱく源と考えられている。
鯨肉の栄養価
菅原龍幸 女子栄養大学 教授

鯨肉は、古くから我国において大変質の良い動物性食品として利用されてき
ました。最近の日本人の栄養問題から鯨肉の栄養的価値を考えてみます。
? たんぱく質は栄養上大変重要です。
今更説明するまでもなく、近年日本人の平均寿命は著しく延び、また小・中・高校生に
代表してみられるように日本人の体位が著しく向上しています。この理由はいろいろと
考えられますが、その最も大きな理由として動物性のタンパク質を十分に摂取するように
なったことにあると考えられます。最近平均寿命の延びと共に、日本は急速な高齢社会に
突入していると言われています。このことに関係して福井市・長野市・東京の小金井市で
行われた“身の回りのことを自分で始末でき、健康に生活している老人”についての
大変興味ある栄養調査の結果が発表されています。それによると、元気に生活している
老人の多い小金井市では、お年寄りが動物性のタンパク質と適度に脂肪を多く摂取している
と言うことです。実際に質の良いタンパク質は血圧を下げ、動脈硬化を予防し、動脈を強くする
ことが知られています。また現代の生活にあいて避けては通れないストレスに対し、
その抑制作用があるとされています。さらに21 世紀の国民病になるのではないかとされている
肝臓病に対して肝臓障害の予防や肝臓の修復に重要な役割を果たしています。
このようにタンパク質は栄養上大変重要な役割を持っています。
? 鯨肉は高たんぱく質です。
鯨肉はタンパク質含育量がミンク鯨の赤肉の例で言えば24.8%、尾肉では23.9%と獣鳥肉類の
中では特に多く、また質的にもアミノ酸価が88(100 が最も良い)で大変質の良いタンパク質性食品です。
? 鯨の脂肪は成人病予防に好ましい。
ミンク鯨の脂肪については、赤肉では1.2%、尾肉では3.3%と少なく、脂肪を嫌う人には格好の
食品と考えられます。さらに鯨の脂肪は鰯や鯖などと同じく、生理的に成人病予防に好ましい
作用を示すイコサペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸を多く含み、逆にコレステロールが肉100g 中
赤肉では40mg、尾肉では37mg と少なく、この点からも陸産動物の牛肉、豚肉より好ましい
タンパク質食品となっています。
? 鯨肉は鉄の大変良い供給源です。
最近、若い女性の中に誤ったダイエットが原因となっている栄養性の貧血の問題があります。
ミンク鯨肉100g 中には、鉄が赤肉で8.5mg、尾肉で 5.6mgと食肉中では馬肉と同じく著しく多く、
しかも鉄の形態が、最も吸収されやすいミオグロビン鉄と呼ばれる有機体の形となっており、
このことからも鯨肉は鉄の大変良い供給源となっています。
? 鯨肉はビタミン類も含んでいます。
この他、鯨肉には各種のビタミンを含み、この点からも他の動物性食品に比較して栄養的に勝れた
食品となっています。
? 科学的根拠に基づいた鯨資源は利用しても問題はありません。
ところで、鯨を食べる日本の食文化に対して批判的な考え方をする人々がいます。これについて
私は動物の種を絶滅するような捕獲によって支えられるものであれば、食文化といえる資格はなく、
人類のだれもがこのような食べ方をして良い権利は持てないと考えています。
しかし、科学的にみて資源として何も問題がない場合には、これらの動物を利用することに問頴は
ないと考えています。動物愛護の点からの批判については、ヒトは生きるために他の生物の命を
犠牲にして生きていかねばならない宿命を背負っています。それ故にこそ、私たちは食事のときに
意識しているか否かはともかく“頂きます”と言って私たちを生かすために命を犠牲にしてくれたものに
感謝の気持ちを表わすのだと考えています。
食物アレルギーと鯨肉
千葉友幸 東京医科大学病院小児科

近年、各方面の学識者から、子供たちの身体面・精神面における変調が報告
されておりますが、そのひとつにアレルギー疾患の急増があります。
先頃の厚生省の調査報告によれば、「国民の3 人にひとりが、何らかのアレルギー性症状に
悩まされている」とのことでしたが、このアレルギー疾患増加の背景には
@自然環境の変化:大気汚染・水質汚濁、A家屋構造の変化:高層住宅・アルミサッシ、
B生活様式の変化:冷暖房・ペット飼育、C食生活の変化:流通機構・旬の消失、
D社会構造の複雑化:各種ストレス、E化学物質の氾濫:化粧品・農薬・医薬品など
さまざまな要因があげられています。アレルギー疾の発症には「アトピー体質」と呼ばれる
遺伝的素因とこの生活環境因子が複雑に関与するとされますが、アレルギー専門医を中心に
病態の解明・症状軽減への努力が続けられています。そして一連の研究の中で、アレルギー疾恵の
誘発および悪化に「食物」が関係することが、広く知られてきました。我国では戦後の
高蛋白・高脂肪の食生活により子供たちの体位が飛躍的に向上しましたが、一方でアレルギー体質も
助長され、摂取した食物で過敏反応を引き起こす「食物アレルギー」が大きな問題になってきました。
なかでも牛乳・卵・大豆などが原因食物(3 大アレルゲン)として重視されていますが、これら過敏食物を
除去し、耐性を得る(再び安全に食べられるようにする)まで、他の食物で代替することが治療の
基本となります。しかしアレルギーの原因となる食物は栄養学的に優れたものが多く、重症者では
代替する栄養源の確保に因ることもしばしばでした。そこで私達が注目したのが「鯨肉」です。
鯨肉は上の世代にはなつかしい食材であり、私自身、昔、学校の給食で食べた記憶があります。
そこで私達は鯨肉を代替食として使用したことのあるおかあさん方から聞き取り調査を行い、鯨肉が
アレルギー治療の食材料として十分役立つことを確認しました。しかし捕鯨の禁止以後、鯨は必ずしも
庶民の手の届くものではなくなっていました。いろいろ手を早くしたのですが、なかなか安くて良質な鯨肉は
入手できす、一時はあきらめかけたのですが、そんな時、調査捕鯨の話が入ってきました。
「ひょっとしたら鯨の肉を分けてもらえるかもしれない」との期待を胸に、私達は農林水産省に陳情に
出向いたのです。
そして鯨の肉を安く譲って欲しい旨の要望書を提出し、その担当者から「日本鯨類研究所」を
紹介してもらいました。幸い私達の希望は受け入れてもらえたのですが、最小取り引き単位が1t(トン)と
聞いて悦んでしまいました。誰も1 トンもの鯨肉をまとめて購入し、保存・販売することまでは考えて
いなかったのです。しかしこれらの問題もなんとか解決でき、患者さんの所へおいしいミンク鯨の肉が
配布できるようになりました。鯨肉と聞いて初めはしりごみしていた入院中の患児達も、食べてみて
大喜び。我々スタッフも満足しました。現在も希望者には鯨肉を送っていますが、食物アレルギーに
悩む人たちは全国に散らばっており、以上の経過はもちろん、鯨肉が安く入手できることを知らない
お母さんも多いようです。その後、 IWC のオブザーバーであるカナダの政府代表の方々にも会い、
アレルギー治療の面から捕鯨再開の希望を訴えましたが、こちらの方はまだ実現していません。
しかし鯨の数は年々増えているということですので、近いうちに捕鯨再開の許可がありうるのでは
ないかと期待しています。関連各位には何かと御手数をおかけし、恐縮しておりますが、今後は
もっと鯨肉の良さをPRして、アレルギーの代替食だけではなく、
健康志向食としての需要にも応じて欲しいと思います。
鯨肉を非アレルギー性の食物リストにぜひ加えたい
海野りつ子 食物アレルギーの子を持つ親の会

? 子供のアレルギーを知る
私たち家族が食事療法を始めて、早9 年になります。当時2 歳半だった長男
がひどいアトピー性皮膚炎と本格化した喘患、生まれたばかりだった次男のアトビー性皮膚炎を、
食物アレルギーと診断してくれた病院との出会いがきっかけでした。
持に、長男のアトピー性皮膚炎はひどく、砂遊びをすると手の皮が赤むけになる程でした。
副腎皮質ホルモン剤をぬってもまたすぐひどくなる事の繰り返し。漢方薬もさしたる効果がなく、
私もノイローゼ気味になっていました。ですから、半信半疑で始めた食事療法で、息子の皮膚が
ほんの少しずつきれいになってきた時は、本当に嬉しかったものです。
? 厳しい食事療法
我が家では、ます血液検査でアレルゲン(アレルギーを起す原因となった物質−抗原)として
はっきりした牛乳・卵・大豆(三大アレルゲンといいます。)を完全に除きました。
それらを含まない市販の食品を捜す苦労は大変なものでしたが、それでも1 か月はがんばって
みようと自分を励ますようにして続けました。1 か月めで子供の湿疹がほんの少し良くなり始めた時は、
それまでやってみた他の療法が何ひとつ功を奏さなかっただけに、喜びもひとしおでした。
とは言っても、症状はほんの少し改善したにすぎなかったので、更に他のアレルゲンを捜す努力も
続けなければなりませんでした。肉や魚など蛋白質の多い物は皆だめ、主食の米・小麦にも
反応する、野菜の中にも合わない物がある、このような状況のなかで自分の体に合った食べ物を
つかんでいくのに6か月程かかりました。この時期が食事療法を続けるなかで一番辛い時期になりました。
結果的に、主食は雑穀の稗や黍、蛋白源にアレルギー用の特殊ミルク、後はあくの少ない野菜のみで
献立を組み立てるという日々がしばらく1年以上続いたでしょうか。そのうち免疫力も上がってきたのか、
白身の魚がだいぶ食べられるようになり、魚と野菜と穀類という実に伝統的な食生活のパタ−ンに
落ち着いていきました。
? 鯨肉との出会い
その頃、私共の作っていたアレルギーの会に、日本鯨類研究所から調査捕鯨の鯨肉の放出のお話を
いただいたのです。きっかけはやはり食事療法をしている方からの問い合わせで、鯨肉の放出があるのなら、
体に合う蛋白源を捜すのに大変苦労している除去食の患者も対象にしていただければ大変ありがたい
というものでした。食物アレルギーで食事療法をしているのは圧倒的に子供が多いので、成長発育の為にも
体に合う蛋白源をいかにして捜し出して確保するかは、切実で重要な課題でした。
たいていは、種類の多い魚の中から体に合うものを捜して食べることになります。でも洋風化した食生活に
慣れている私たちですから、たまには肉も食べて食生活を少しでも豊かにしたいと思ったりします。
そこで、今まで子供はもちろん母親も食べた経験が少なく、アレルゲンになっている可能性の少ない肉に
挑戦してみる事になります。カエル・鹿・七面鳥・鴨・カンガルー・ヘビなど、
結構グルメといえないこともありません。(アレルギー専門の店に行くとたいてい手に入れる事ができます。)
ですから、その中に鯨も加わるというのは、大変ありがたいことでした。一つでも蛋白源の選択の範囲が
広がることは、また、除去食治療を容易にする事にもつながります。
? 鯨肉はアレルギー症状を殆んど起さない食品です。
放出していただいた鯨肉は、赤身で脂もなく、筋の部分を除けば、とても柔らかい美味しいものでした。
なんと、先にあげた様な肉にほとんど合わなかった我が家の子供達も食べることができたのです。
鮮度の良い上質の肉であったことも大いに関係のあることかなと思いました。私たちは子供の頃から、
様々な形で鯨肉を食べ、親しんできました。実は逆に、子供の頃良く食べたものだから、すでに母親が
アレルギーになっているかもしれない。すると、子供もだめなのではないか(胎盤をとおして抗体が子供に渡る)
と心配していたのですが、そうではなかったのでかえって意外な感じもしました。もちろん中には体に合わない
人もいたのは当然ですが、アレルギー反応の出ない人の方が多かった様です。私見ですが、日本人に鯨肉は
合うのかもしれないなぁと思いました。食物アレルギーの食事療法の選択肢にぜひ加えたい鯨肉。
とりあえす、切実に求めている消費者にだけでも、常時容易に手に入るシステムができたらすばらしいと思います。
私の鯨肉と我が家の体験
阿部信子 宮城県鹿島台町

? 子供のアレルギーを知る。
初めてアレルギーと知ったのは、昭和63年7月子供が生後4力月頃でした。
体中ぶつぶつと赤い湿疹ができて、5、6 カ月とどんどんひどくなり、皮膚科でアトピーと診断されました。
塗り薬が、顔用、頭用、体用と3 種類、塗れば赤みが取れて一時的に良くなりますが薬なしでは治らない
毎日です。1 日2 回かかさず塗っても良くならず、しまいには下痢が止まらず、お尻はアトピーとただれで
真っ赤になってしまいました。友人に良い病院があると紹介されて坂病院の小児料で血液検査を受け
卵と牛乳のアレルギーであると知りました。
? 食べ物さがしの生活が始まる。
生後10 カ月頃、卵と牛乳を除去した食事をすることにしました。その時に食べ物でアトピーになることを知り、
それからが毎日、食べることの勉強でした。最初は卵と牛乳をやめただけで下痢が止まり、おなかの湿疹が
1 週間で治りびっくりしました。それでもその他は良くならず塗り薬は毎日でした。 1 才の頃、家族旅行に
出掛け3 日目からぐあいが悪そうで、咳やゼーゼーがでて病院へ着いたときはかなりひどい状態でした。
初めてのゼンソク発作でした。5 日間入院してなんとか治まり再検査を受けたところダニのアレルギーもある
ということでした。民宿の古い布団などに寝ると発作をおこすということがわかりました。それから毎日布団に
掃除機をかけるように指導されました。1 才からゼンソクの発作とアトピーと両方がひどくなりだしました。
次の発作は魚のカレイを食べた時、30 分から1 時間後にゼーゼーと発作が始まり、白身魚で発作が起きると
信じられずに、又カレイを食べさせてはゼーゼーと発作をおこし3 度目で魚もアレルギーを起こすと解りました。
蛋白質となるもので発作を起こすのです。肉や魚、豆類等です。病院でいただいたアレルギーを起こしやすい
食品おこしにくい食品が詳しく書いてあるテキストを参考に食事指導を受け、
鯨、鹿肉など喘息にならない食品さがしの生活が始まりました。なにが合うか合わないかは個人差があり
テストしながら合わない時はやめるの繰り返しです。豚肉も最初少しは食べられましたが
2 才頃から発作をおこすようになったので止める事にしました。
1〜3才の間、月に1 回はゼンソクで入院週1 回軽い発作という毎日でした。
? 鯨肉はアレルギーを起さない
ついには野莱だけの食事がつづいて抵折力がなくなり敗血症という病気で1カ月入院、鯨だけは発作を
起こさなかったので、なんとか牡鹿半島の親類にお願いをして、何件かの割り当て分を譲って頂き唯一の蛋白源
としてどうにか確保して、1 日、30〜40 グラムずつあげられるようになりました。それでも、手に入らない時は
鹿肉とかカエル肉とかでまにあわせ、その他力ワハギ、サヨリ、ニジマス、ワカサギなど、発作はおこさないのですが、
食後、目が腫れ口のまわりが赤くなり手や足も赤くなり30 分位掻きむしって泣いたり騒いだりしてつらそうです。
4 才現在、発作も殆ど起きずアトピーもだいぶよくなり、鯨がきれるとまたゼンソクはもちろん敗血症のような
命にかかわる病気になると思うと不安です。
? 鯨肉が自由に買えるように
アレルギーもおこさない蛋白源としての鯨を手に入れられるよう仕組みを作っていただきたく思っております。
皆様のご努力で1日も早く鯨が自由に買うことができるようになることを切に願っております。
どうぞアレルギーの子供達のみならず我々大人も安全な蛋白源として日本人の体質に合うものであると
考えますのでよろしくお願い申し上げます。