vol.4 〆ちゃん推薦の宿・勝浦御苑
完全中継



よし子ちゃん登場!

さてさて、那智の滝を出た一行は、今夜の宿泊先である勝浦御苑へ向かいます。ここは〆ちゃんが直接支配人に交渉して下さって、最高の部屋を最低の値段にしてくれたお宿。ここの9階と10階には「滝見亭」とよばれる、超豪華VIPルームがあるんですが、私たちはそのVIPルーム中でもさらに一番奥にあるウルトラすごいぞ!ど〜だ、まいったか!VIPルームである「飛龍」という部屋に通されました。後でわかったことなのですが、〆ちゃんは昔ここの9、10階VIP専門の板前さんをしていたのです!だから、フツ〜は泊まれない(正確に言えば、お金を積めば泊まれるのですが、そんな金はワタシには到底出せないのだ ^O^)こんな部屋も、〆ちゃんのカオで大幅ダンピングしてもらえたという訳なのです。

「飛龍」は上記のような間取りで、なんと人数分(3部屋)の部屋数があるゴーカさ!テラス部分が一面のガラスになっいて、そこからは雄大な熊野灘が一望できます。

…う〜ん…ま、マイッタ!ゴーカだとは〆ちゃんから事前に聞かされてましたが、これほどとは…。すでにワタシの精神的キャパを越えてますです、このゴーカさは。なんか、だだっ広い和室の片隅で、チマチマとお手玉でもしていたいようなヒクツなキブンにもなってきそうなほど、めっちゃゴーカ!

しばしアゼンとする一同の耳に「しつれいしま〜す」という声。はっ!仲居さんだ!今までオドロキでウスラ大口をポカンと開けていた私たちは、急いで表情を引き締めて仲居さんの登場にそなえます。あ〜いう時ってなぜか正座しちゃったりするんですよね?それで意味もなくテーブルの食べかけのお菓子の袋をキチンと片づけたりするのです。ははは。

金箔を貼ったようなケンランゴーカ襖(ふすま)が開いて、仲居さんが現れました。やはりこういうトコロの仲居さんは、キモノなのです。

んでもって「わたしはシゴトにはプライドを持っています!」っていうようなポリシーが、そこはかとなく表情に出ているミドルエイジちょい上の女性が現れました。と言っても気位が高いという感じではなく、なんとなく「この人ヒョーキンなトコもあるんじゃない?」っていうような愛嬌も感じられて、一同、ホッ。(ちなみに、このヒョーキンの予感は当たってまして、次の日の朝露見しました ^O^ 後述)。後で〆ちゃんに聞いて知ったのですが、この人は「よし子ちゃん」と言いまして、仲居頭をやっておられる超ベテランです。なるほど話題のフリ方から立ち居振る舞いまで、やはりそれなりの年輪を感じさせます。

〆ちゃんも、私たちの部屋を「よし子ちゃん」がお世話する、と知って、あぁ「よし子ちゃん」なら大丈夫だ、と思ったそうです。なんと〆ちゃん夫妻は、私たちと那智の滝で別れてから、わざわざ勝浦御苑に寄ってフロント気付に送った私たちの荷物を部屋に上げたりと気を配ってくれた上に、「(smoky一行の)泊まる部屋をぜひ見せて欲しいと言って、わざわざこの部屋に来てねぇ、それで確認していったんですよぉ」と、よし子ちゃんが教えてくれました。「あれですね、〆ちゃんもこのホテルは長かったんですけどね、ほとんど厨房でしょ?だから部屋をシミジミ見るっていうことがなかったはずですから、心配だったんだと思いますよぉ」

私たちは〆ちゃん夫妻の底抜けの厚意に、ただただ「………!!」でした。フツウいないっスよね?ここまでやってくれるヒトたちって。



翌朝の滝見亭は、よし子ちゃんの「旦那さ〜ん!」コールが…

フツウですと、ここから風呂→飯→寝る、ってという黄金パターンなのですが、ここまで書き進んで来てわたしはハタと考えてしまいました。「他人が飯を食ったり、フロへ入ったりする様子を読んでおもしろいか?」というギモンなのですね。いくら閲覧者限定と言っても、やっぱり「ケッ!」って思っちゃいません?景色やオモシロ話なんかは、まだ読めるかもしれないですけど、フロの善し悪しや、夕食の献立をコトコマカかに書いてもねぇ〜。実際に食べられるわけじゃありませんし…。
それでも食事なんかがマズかったら、ケチョンケチョンにけなして書けば見て下さる人も「あははは!やっぱそうだよな〜。世の中そんなにうまく行かないモンだよな〜」という少し同情、少しザマーミロ状態になるから溜飲(りゅういん)が下がるんですが、イケナイ事に美味かったんですよ、大体において、勝浦御苑の懐石料理(あ〜、こう書くと、これはこれで結構イヤミではあるなぁ)。

という事で、今回は食事の記録は飛ばすことに決定!なお、それでも知りたい!という物好きな方だけはここを押して下さい。「あぶり出し機能付!勝浦御苑夕食詳細」のページへジャンプしますんで。


と言うことで夕食を抜きにして(ホントに食べなかったんじゃありません)、中継は翌朝の午前6時にジャンプしちゃいます。

雲一つない良い天気…と書きたいんですが、天気予報通りに多少ドンヨリとした朝の空です。バルコニーに出て東の空を見ましたが、そこだけ雲がかかっていて、海からの朝日は見られませんでしたし、左側の那智山方面もガスっていて、あんまりハッキリしません。あきらめて部屋に戻りましたが、女性軍はまだ夢の中。洋間を覗くとベッドでは、スッピンの大サンショウウオが2匹で(お義母さん m(__)m モノの例えっちゅ〜ヤツです、悪気はありません あっ!イイワケになってない!)「でろんでろん」とノビています。後で聞いてみると、暑くて夜中よく寝られなかったとのことです。冷房かけて寝たんですが、冷風がちょうど顔の正面に当たるらしく、妻などはその攻撃から逃れるため、一晩中「にじりにじり」と逃げ回っていたそうです。確かに私が目撃した時も180度回転状態であった事を報告しておきます。でもって、これ以上詳しく描写するとハゲシク怒られそうなので、も〜書かない(書けない)のだ。 (~_~;)

仕方がないので、洋間のデジカメに昨日撮った画像を写して編集してたんですけど、ちょうどこの折り紙のデジカメ画像をTVに表示している時に、義母と妻が「ふぁ〜あああっ」などと起き出してきまして、「行こう行こうフロ行こう」と言い出しましたんで、画面をこのままにしてフロに行っちゃいました。

で、こりゃナンのための折り紙だい?って思うかもしれませんが、ベッドと布団の枕元に「おやすみなさいませ」とメッセージ入りで置かれていたモノなのですよ(見りゃわかりますか (^^ゞ) 。つまり、勝浦御苑の「お客様をもてなすココロ」なのですね。私たちの家族旅行も10年を過ぎ、今までいろんな旅館に泊まりましたが、これはなかったなぁ。やっぱ一流旅館ですわ、うん!

フロから上がってくるとすでに朝食の準備が整っています。良い旅館は、こういうトコロ見事ですよね。キッチリ不在の時にセッティングしくれます。でも、どうしてフロに行ったのがわかるんだろう?ってフシギに思いません?実は旅館の地下に司令室があって、そこのモニターに全室の様子が映し出されていて、つねにチェックされてたりして… (-_^:) 。だとしたら司令官の人も私たち「飛龍」の間の昨日からの、口ポカン状態とか、必殺親子サンショウウオ寝乱れ姿とかを見て「ぶわはははは!」と爆笑してんだろうな、などとクダラン想像が広がります。まっ、実際は宿泊客の行動パターンって似かよってますから大体の時間を見計らって用意してるんだと思いますが…。

でもって、一同そそくさと朝食(やっぱりゴーカでした)を済ませて、私は洗面所でヒゲを剃っていた訳なのですが、突然和室の方から「旦那さ〜ん、旦那さ〜ん!」という声が聞こえます。義母や妻が私の事を旦那さんと呼ぶわけないし(一度くらいは仕事から帰ったら玄関でミツユビついて、ダンナ様お帰りなさいいまし、なんて迎えてもらいたいもんですな、実際)……
……としたら、やっぱり、仲居さん?「はいはいはいはい」と和室にすっ飛んでいきますと、よし子ちゃんが申し訳なさそうにわたしに言います。

「旦那さんわたし、実は謝らなくてはいけないんです」

私は「へ?」なのです。

「あのですね、皆さんがお風呂に行ってらっしゃる間に、洋間のテーブルを片づけようとしましたらですね、テレビに折り紙が映ってますでしょ?」「ふんふん」「でね、わたしな〜んで朝から私んとこの折り紙がテレビに出てるんだろ?ってビックリしちゃいましてね」「あははは」「それで、カメラみたいなものがテレビにくっついてましたんで、ちょっと動かしちゃったんです。すみません (ーー;) 」と申し訳なさそ〜に頭を下げるのす。

「あはは、大丈夫ですよ」と私もデジカメのシクミを説明します。「これこれこ〜いう風なシクミでテレビに映るんですよ」とシゴク簡単に説明しましたが、よし子ちゃんはしばらく絶句してまして「……あ、そ〜いうムズカシイ事は私らにはわかんないんですけど、とにかく便利なモンなんですね〜」と、一気に結論まで持っていきます。
調子に乗って「たとえばですね、こうやって仲居さんを撮りますでしょ?」といってデジカメをよし子ちゃんにむけますと「あっ!わたしそういうのだめだめだめ」と顔をそむけます。

「大丈夫ですよ。タマシイ吸い取られたりしませんから、ははは」などとギャグを飛ばしながら、私もこの際記念にと思ってよし子ちゃんにレンズを向けます。「だめだめだめ」とよし子ちゃんもハゲシク抵抗。「ままっ、そ〜言わずに、一枚だけ」と私もネバリます。「ひゃ〜だめだめだめ」「ままっ、ヨイではないですか」悪代官とテゴメ寸前の町娘のような会話を繰り返し、やっと一枚激写したのがこの写真です。このあとよし子ちゃんはすっかりリラックス。〆ちゃんの昔話なんかもしてくれて、「それにしても〆ちゃんがパソコンやりだすなんて想像もしてませんでした」という言葉を残して、部屋を出て行きました。思うに、勝浦御苑時代は、結構硬派な〆ちゃんだったと想像します。



名残り惜しいですが出発です

そんなこんなのVIP待遇の勝浦御苑とも、そろそろお別れです。往生際の悪い私たちはチェックアウトを済ませたあとも、喫茶店でコーヒーを飲んだり、売店でお土産を買いあさったりしてなかなか出発しません。

でも本日は太地町で〆谷商店さんを訪問というメーンイベントがありますから、あまりユックリもしていられないんですね。 3人とも (T.T) (T.T) (T.T) という顔をしつつ、旅館を後にします。

で、最後っ屁に売店でのオモシロお土産の写真を一つ。「鯨のトックリ」という商品説明でしたが、どう見ても「尿瓶(しびん)」ですな、こりゃ!決してこれにビールを入れて飲んではいけませんぞ!(下品失礼)。

お待たせしました!いよいよ「太地町へ突入」へ!